第二話 金ツッパ侍ができるまで2
その日は蒸し暑い7月の某日。薄暗い曇り空。朝10時にホールに向かった私は自分のラッキーナンバーの台に腰を掛け打ち出しました。その頃になるともはや先輩の同行無しでも一人で通っていました。
朝からうちはじめて早1時間半。
「あれ・・・?今日はなんかおかしいな・・・??流れがこない・・・。」
ノーボーナスのまま回転数をチェックするとすでに1000G手前。財布に入っていた35000円が無くなりかけていました。初めての大ハマりで戸惑いを隠せない状況でしたが、スロットでせっかく10万円以上の利益を出しているのにそれが減っていくことが許せず、また、これだけ資金を投入したんだから出すまでやらないともったいない。と強く思いました。
今まで一度も負けたことが無かった私は「ま、大丈夫だろ!」と思いお金をおろしにATMに向かいました。
それから2時間・・・
「でない・・・でないぞ・・・。」1500Gの天井で単発のボーナスをひいてからはや1000G。累計マイナスはすでに80000円超え・・・。掌にじんわりと汗をかくのを感じながら、だんだんと恐怖を感じてきました。昨日まで楽しい上におこづかいをくれていたケンシロウ、、、シンやサウザー、ラオウをばったばったと蹴散らしまくっていたケンシロウが今日は他人の様にとてつもなく弱い・・・。
投資額もゲーセンのバイト代1か月分に近づいてきました・・・。
「辞めるべきなんだろうか・・・、いや、ここでやめたらもったいない。こんなに運が偏ることはないはず!そろそろ出る!!自分に限ってそんな不運があるはずない!!」
自身のビギナーズラックがすでに運の偏りであることは棚に上げつつ、その日においての運の偏りを否定し何とか取り戻そうと半ば惰性とやけくそで打ち続けた結果。。。
私は15万の大金を一日で失ってしまったのでした。
初めての敗北を味わったその日、頭は真っ白、半泣きでごはんも手につかずに死んだように眠りました。「二度とスロットには行くまい!」と強く心に誓いながら。
そして翌朝、銀行からおろした5万を持っていつものホールの前に並ぶ金ツッパ侍がいたのでした・・・。
はい、ここで一旦回想ストップ!
・・・だいぶきなくさい感じになってきましたね。にわかにカイジ臭が漂ってきました。次回は希望の船エスポワールでグーを買い占めた時の話でもしようかしら・・・。笑
さて、今回のお話。何かと似ていませんか?そうです。FXです。FX初心者の行動です。書いていて気付いたのですが今回のお話、FX初心者が陥りがちな心理状態が満載です。次回は心理学的な側面からそういった心理状態について書いていきたいなと思います。それではまた次回お会いしましょう!さらばっ!