第四話 不運が続いて凹んだ時に読む話
運の偏りとは恐ろしいものです。
ギャンブルを長くやっていると確率論者の私でも流れを信じてしまうほどの幸運の連続、または不幸の連続が 思いのほか多発するものです。この現象に対する持論は
「確率は偏らない可能性の方が高いが偏った時のインパクトは強く、強烈に記憶に残る。これが流れやツキというものの正体」だと思います。
ちなみに人間は結果に対してその原因を無意識に探してしまう生き物なのでインパクトが大きいことが起こった前後の事象を因果関係が全く無かったとしても結びつけてしまうことがあります。これがいわゆる迷信やオカルトの正体だと思います。
右足から家を出たほうがいい、などのゲン担ぎ等もおそらく昔の誰かが右足から家を出たら偶然いいことがあった、というインパクトのある現象が言い伝えとしてのこったものかな、と思います。
ジャグラーというスロット台があります。コイン投げやサイコロと一緒で完全確率で稼働するタイプ(いわゆる確変などがないタイプ)のスロットです。
あ、ちなみにスロットは基本的に設定が1~6まであり1が最低の期待値、6が最高の期待値の台になります。
以下の表はジャグラーのスペック一覧表です。
ビックボーナスの確率の差は1/287~1/241、レギュラーボーナスは1/410~1/273となっています。大きい設定の差は引いた時に嬉しいビッグボーナスではなく、引いた時に少し残念な気持ちになるレギュラーボーナスの方にあるのです。
つまり高設定の台ほどほどレギュラーボーナスが連続で出る可能性が高くなります。
以前ジャグラーを打っていた時のこと。自分の隣で小太りのおばちゃんが打っていました。そのおばちゃんの台はデータを見る限りボーナス合算の割合も高く、レギュラーボーナスもビックと同じくらい引けていたので高設定っぽいなと思って見ていました。
ただその時間は不運がつづいているようでレギュラーボーナスが3回連続で続いていました様でした。
4回目のレギュラーボーナスを引いた時おばちゃんが立ち上がり移動をはじめました。
「辞めるんですか?」と聞くと「この台はレギュラーが4回続くととことんハマるから辞めんだよ。打たない方がいいよ!」と言われました。
いやそんなはずは無いです。
ジャグラーは上記に書いたようには確率の変動はしません。だから一回一回のボーナスは完全に独立した事象です。いわば毎ゲームごとにビックの確率のサイコロとレギュラーの確率のサイコロを同時に振っているようなものなのです。
おそらくこのおばちゃんは以前にそういう体験を何度かされたのでしょう。体験からくるインパクトでおばちゃんからみたジャグラーの仕様は確変アリ仕様にいつの間にか書きかえられている様でした。
「ちゃんちゃらおかしいわ、この養分が!」
と心の中では思いましたが
「そうですか、ありがとうございます。気を付けて打つようにしますね。」
と心にもないことを言ってその台を打つことにしました。
「悪いこと言わないからやめたほうがいいのにねー。」とおばちゃんは自分の発言が信じてもらえなくて不服そうな顔をして立ち去りました。
・・・3時間後・・・
600Gまでいってレギュラーを引いたあと私はなんとその後5回連続でレギュラーを引いたのでした。5万負けです。
そして隣の隣の低設定っぽい台に移ったおばちゃんはビック連打で爆益。コインも2箱ほど積んでます。
「ほれみたことか!!」といった勝ち誇った表情でチラチラと何度もこっちを見ていたこでぶばばあの顔が今でも忘れられません・・・。
さて、上記のストーリーですが僕はどのように動くべきだったのでしょう?また僕達は今後どのように動いたらいいのでしょうか??
こでぶおばちゃんのように独自理論を展開してそれを信じて打つのが正解でしょうか?
・・・・・・いやいや、そんなはずはありません!!
僕らギャンブラーは黙々と打ち続けるしかないんです。
負けようが馬鹿にされようがうちのめされようが期待値が高い方にベットし続けるしかないんです。それが裏目にでようと「俺は期待値にかけたんだから間違っていなかった」と心底思えなくてはなりません。確率が低い不運にさいなまれた時はそのミラクルに対して拍手してやる、ぐらいの余裕がなければなりません。期待値とともに死んでいく、くらいの覚悟がないといけません!
そしてそんな風に思考できるギャンブラーとしての自分に誇りを持たなくてはなりません!
かの天才ギャンブラー アカギもこう言っています。
「不本意と仲良くすること・・・そんな生き方が好きだった・・・・ たぶん・・・愛していた・・・・無念を・・・・!」
これこそ真のギャンブラーのあるべき姿だと思います。
EA運用も同じことが言えるのではないでしょうか?
もう一度言います。
ギャンブラー(トレーダー)は期待値にベットしてなんぼです。
不運が続く苦しい時ほど笑って次の期待値にベットしていきましょう!
それではっ!